管理栄養士のリアル本音ブログ

体調悪い人の味方。副腎疲労からの回復記、人体実験、患者秘話、低血糖・リーキーガット・分子栄養・中医学など。

骨粗鬆症の食事=カルシウム強化では治らない

骨粗鬆症の標準治療の実態

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ご自分の骨密度知ってますか?

まだ30代だから関係ない?

 

わたしもそう思っていましたが

現代は小学生でも骨粗鬆症がいるそうです。

おそろしい...

国民の大半が

「骨の心配なんでおばさんがするものだ」

と思っていますから

潜在患者はもっといるでしょうね。

 

 

栄養療法クリニックにも

骨粗鬆症の患者さんが

たくさんいらっしゃいますが

 

一般病院で3年程の投薬治療でもまったく

骨密度が変わらず(むしろ下がる)

困り果てて来院される方も。

 

標準治療では

  • 破骨を抑える薬(ビスフォスフォネート製剤)
  • エストロゲンレベルを上げ破骨抑制する薬
  • 造骨を活性化させる注射(副甲状腺ホルモン)
  • カルシウム代謝促進剤(活性型VDやCa製剤、VK2)

などが投与されます。

 

しかし

破骨抑制剤には副作用があり

それが怖いのでどうしたらいいか?

という相談も受けます。

 

ほんとうにその通りだと思うのです。

骨密度の治療を優先して

他が悪くなるリスクを背負う。

なんとも複雑な気持ち。

 

薬を使わずに

骨密度を上げるためには 

なぜ骨密度は低下するのか?

原因を知る必要があります。

 

それから必ずしも

「骨密度=骨強度」ではない

事を理解しましょう。

 

骨の強さは骨密度だけでは表せない

 

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骨密度がそこそこあっても

骨折を繰り返す人もいます。

 

これは「骨質が悪い」ためです。

 

残念な事にこの状態

長年、破骨抑制剤を飲んできた方に多いのです。

 

破骨抑制剤は確かに

骨密度の低下を防ぎますが

代謝を止めてしまいます。

 

つまり密度はあっても

古くて弾力がない骨になる

という事。

 

 骨は特殊な細胞で

壊さないと作れない

という性質あります。

 

薬で、破骨(骨を壊す)を抑制するということは

古い骨のまま作り替えられない状態を作る

事になります。

 

これは確かに密度は維持できますが

骨のしなやかさ、弾力性を作る

コラーゲン架橋は作り替えられないため

 強度の弱い骨となってしまいます。

 

栄養療法を始めると

破骨も活性化するため

一過性に骨密度が下がる事があります。

「こんなに頑張っているのに何事だ!?」

とご立腹になるおばちゃんがいますが

(気持ちは分かる)

 

しかしこれは

骨を新しく作り替えるために

必要な過程で、よい傾向でもあります。

 

今まで破骨を抑える薬を

飲んできたのですから

まずは壊して、作り替えないと

いけませんので。

 

 

骨粗鬆症の原因の多くはカルシウム不足ではない

 

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骨形成にカルシウムは確かに大切です。

しかし、多くの患者さんのデータをみてきて

単にカルシウム不足で骨粗鬆症になる人は少ない

という事実があります。

 

クリニックにくる方の

骨粗鬆症の原因をまとめると

  • 材料不足(タンパク、鉄、VC)
  • カルシウム動態がわるい(脱灰する食生活)
  • 免疫力の低下
  • コレステロール降下剤の副作用(VD不足)
  • ステロイドの副作用
  • 消化吸収力の低下(腸内環境がわるい)
  • 早期閉経状態(女性ホルモンアンバランス)

 これらが多い。

 

 

骨粗鬆症の食事のポイント

 これは個別に原因を探り

対策を考えるべきですが

ここではみなさんに共通して言える

食事のポイントだけ書いてみます。

 

  1. 腸内環境を整える
  2. 消化力吸収力UP
  3. 脱灰を防ぐ食べ方
  4. 骨の材料をとる

この辺になるかと。

 

1、腸内環境

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うん〇が臭いはNG!

年齢とともに善玉菌が減ります。

善玉菌の多い状態は消化吸収力UPにかかせません。

腸活については割愛しますが

乳酸菌、ビフィズス菌、酢酸菌を

サプリメントで補うとよいでしょう。

(治療レベルなら食事では追いつかいので)

 

また、破骨細胞は免疫細胞(マクロファージ)が

分化したものです。

腸=免疫力、なのはご存知の通り。

つまり、腸内環境の悪化=免疫力の低下

は破骨と造骨のバランスを

崩します。

 

2、消化力吸収力UP

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皆さん「ちゃんと食べてます!」

といいますが

食べた=摂れた ではありません。

いかに消化させるか?

いかに吸収させるか?

がカギです。

 

食べても不足のデータが出ているなら

それは間違いなく

消化力の低下、腸が悪い」事を意味します。

 

胃酸も消化酵素も加齢とともに

低下しますのでそちらを補いましょう。

  • 酸味のもの(レモン、酢、梅干しなど)
  • よく噛む(超重要)
  • 消化酵素をつかう(制酸剤入りはNG)

 

3、脱灰を防ぐ食べ方

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血液のPHは7.4前後に厳密にコントロールされています。

すこしでも狂えば、心臓が止まってしまいますからね。

 

どうやって調整しているのか?

それが「カルシウム」です。

 

血液が酸性に傾くと

骨からカルシウムを溶け出させて(脱灰)

PHをアルカリに戻そうと働きます。

(カルシウムはアルカリだから)

 

酸性=動物性食品、穀類、糖質

アルカリ性=植物性

 

みなさん野菜や海藻はそこそこ

食べているけどPHが酸性よりで

尿カルシウム排泄量が非常に高い!

(=脱灰している)

 

つまり酸性にかたよる食べ方をしています。

多いのは「糖質のとり過ぎ」です。

 

10時、15時に

糖質のオヤツをちょこちょこ

食べていませんか?

脱灰の原因になりますよ~

 

オヤツは「食物繊維+タンパク」が

おススメです。

 

例)ゆで卵、ナッツ、おしゃぶり昆布など

 

また、糖質のとり過ぎは

糖化(グリケーション)を起こし

コラーゲンの架橋をもろくします。

 

お肌のたるみだけでなく

骨も弱くする原因です。

 

4、骨の材料をとる

骨の枠組みとなるコラーゲンの材料

タンパク質、ビタミンC、鉄、ケイ素

 

枠組みを塗り固める接着剤

ビタミンK

 

枠組みを塗り固める材料

カルシウム、ビタミンD

 

この辺はご存知と思いますので割愛しますね。

それから美白もいいですが

日光に当たるのもお忘れなく。

(VDを使えるように)

 

患者さんのよくある間違った食生活

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カルシウムが多いから牛乳を毎日のむ

たしかに牛乳はカルシウムが豊富で吸収も良い。

しかし、リスクも大いに有りの食品です。

 

牛乳のリスク

 

カルシウム、マグネシウム

ブラザーミネラルと言われ1:1で働きます。

つまり牛乳は相対的に強いマグネシウム不足となります。

マグネシウムとカルシウムバランスは

筋肉の収縮弛緩に重要です。

 

マグネシウム不足は

筋肉の塊である心臓に悪影響ですから

心疾患や高血圧のリスクが高まります。

 

また、腸内環境を考える上で

小麦(グルテン)と乳製品(カゼイン)は

控えるのが理想です。

これらは腸に炎症を起こしやすいからです。

 

自覚のない慢性炎症を持っているかたはおおく

歯周病副鼻腔炎、リーキーガットなど)

これが、栄養吸収を妨げている

大きな原因です。

 

リーキーガットについて知りたい方は

こちらへどうぞ。

leaky-gut.com

 

炎症があると

タンパク質が消耗されますので

炎症持ちはタンパク不足の方が多いのです。

 

実際、患者さんに

小麦、乳製品をやめていただくと

とてもお腹の調子や

体調が良くなるケースが多い

 

牛乳はカルシウム補給でとるのではなく

嗜好品として時々楽しむ

が正解です。 

 

 まだまだ

書きたい事はありますが

この辺で!