管理栄養士のリアル本音ブログ

体調悪い人の味方。副腎疲労からの回復記、人体実験、患者秘話、低血糖・リーキーガット・分子栄養・中医学など。

過食嘔吐をやめたいけど太りたくない女子達の実態

過食嘔吐をやめたいのにやめられない女子たちの実態

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食べても吐けばいい。

はじめは軽い気持ちで吐いていた。

痩せたいから。

そのうち食欲も嘔吐もエスカレートし

もう自分ではコントロールできない。

 

菓子パン10個、カップ麺、お弁当3個

手当たり次第に食べて全て吐く。

異常だと分かっていても体が欲求する。

 

指には吐きダコができ

それでも太るのが怖くてやめられない。

チューブ吐きに手を出したら最後

地獄をみることになる。

 

人知れず1日に3回5回と過食嘔吐を繰り返し

毎日コンビニで3000円、5000円と

買い込み経済的に貧困。

24時間食べ物のことが頭から離れない。

 

摂食障害が誰にも言えずに苦しむ人は多い。

過食タイプ、拒食タイプ様々。

 

中には20年選手もいる。

そんな栄養状態で

出産育児までこなしている人もいて驚く。

 

人間には恒常性がそなわっているから

異常事態にも体が慣れて

対応できてしまうのだが

じわじわと体を痛めつける。

 

長期の場合、甲状腺機能が

低下していることも珍しくなく

こうなると回復にも相当な年月がかかる。

 

16歳の学生でも相当努力して3年かかった。

いわゆるLowT3症候群なのだが

一般病院のドクターは知らない。

 

若さでカバーできている場合もあるが

年齢を重ねるごとに不定愁訴や不妊

骨粗しょう症、更年期など

様々な体調不良苦しむことになるのは

容易に想像できる。

 

実際に過食嘔吐女子に多い症状は

  • メンタル異常(キレる、いらいら、うつ、死にたい、意欲低下)
  • 神経症状(神経過敏、思考力低下、考えがまとまらない)
  • ホルモン症状(月経異常、PMS)
  • 不定愁訴(倦怠感、冷え、筋肉痛、むくみ)
  • 睡眠障害(眠れない、途中覚醒、悪夢)
  • 自律神経失調症状(喉がつまる、動悸)

そして共通するのはみんな疲弊しきって

死にそうな顔色をしているのだ。

声は弱々しく

ネガティブオーラ全開

ちょっとした事でイライラし

腫れ物にさわるよう。

 

ひどいと、30代でも認知症並みに

記憶力、思考力が低下していて

会話に苦労する。

 

全ての関節から骨がくっきり浮き出て

吹けば飛びそうにやせ細っていても

太るのが怖いと言って、吐き続け

便がでないと太りそうで

不安でたまらなくなり

下剤を規定量の何倍も飲んでしまう。

 

完全にみんな「気虚」「血虚」「気滞」

西洋医学的に言えば典型的な

「現代型栄養失調」だ。

 

国の標準治療では、心の病気とされ

心療内科で抗うつ剤、抗不安剤などを

処方されてしまう。

患者のほとんどは

投薬や心理カウンセリングをうけているが

気休め程度にしか良くならない。

 

そりゃそうだ。

問題は、心ではなく体にあるのだから。

 

栄養失調で

尋常ではない食欲が出ているのだから

栄養で治すのがどう考えても自然。

 

しかし、この国にはその考えがない。

というか国は知らないし真剣に考えていない。

彼女たちは、心の病なんて恥ずかしい!

と隠すから

あまり取沙汰されなのかもしれない。

 

心療内科で薬漬けにならなければ

まだ救いがある。

実際、多くの患者が栄養療法によって

過食嘔吐の苦しみから

解放されてきたのをみてきた。

 

みんな別人のように

明るく快活な人へと変わって行く。

拒食で体脂肪率3%だったことを

すべらない話笑い話にできるようになる。

栄養状態がいいとメンタルも健全になる。

 

もちろん心の問題が

全く関係ないわけではないし

栄養だけで完治しない人も一定数いる。

心の問題は幼い頃からの

母子関係である事が多い。

 

ただ私の見てきた限り

9割以上の患者が栄養失調が原因

間違えたダイエットきっかけなのだ。

 

ラ◯ザップのような厳しい

糖質制限も、脾虚タイプの女子には

全く合わないし過食発生のリスクがある。

 

実際、パーソナルをうけたあと

過食嘔吐になった患者が数名いた。

 

体質を見極めない

栄養指導は毒にもなりえる。

 

過食嘔吐がやめられない原因とは

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過食がなぜおきるのか?

それは機能性低血糖の症状なのだが

あまり知られていない。

日本のドクターたちは医学部で

習ってこない。

 

低血糖状態が数時間つづけば

脳は植物状態になってしまう。

だから、血糖値が急激に下がると

体は緊急事態と判断し

過食スイッチをいれるのだ。

 

ある患者は友人の家の冷蔵庫を

勝手にあさって食べてしまったそうだ。

それも無意識に。

とてもショックで治療の決心をした。

 

これは、低血糖で意識朦朧としていたから

よく覚えていないのだと思う。

 

ある患者は、暴れて彼氏に椅子をなげたり

泣き叫んだりすることを覚えていない。

 

低血糖ではアドレナリンやノルアドレナリンが

大量放出されるから、キレて暴れたり

死にたくなったりするのだ。

 

空腹でイラつくのは

健常人でもよくあるけど同じ原理。

 

リストカットを繰り返すのも

機能性低血糖症の症状の一つ。

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こんな女子になぜ死にたいのか?

と聞いても仕方がない。

理由なんてないのだ。

それは、頭痛とか胃痛とおなじで

ホルモンアンバランスによる

「死にたい」という症状なのだから。

心理カウンセリングで

前向きに生きましょう!なんて言っても

何の解決にもならない。

必要なのは正しい食事と栄養なのだ。

 

6時間糖負荷検査をすると

血糖値50をきる患者もいる。

おいおい、死んでしまうぞ!

意識はあるのか?

と病室に走ってみにいっても

本人は涼しい顔をしている。

体が慣れてしまっているのだ。

もちろん、幽霊のような

血の気のない顔色だけど。

 

一般の方からみたら色白で

キレイに見えるかもしれないが

私たちには、健康的な色白とは

まったく違うのが分かる。

 

カーブを失って

平になった爪は薄くてもろく

たんぱく質がほとんど取れていないのが

想像できる。

若くて肌にハリがあっても

どこか老婆のようなのだ。

 

なぜ機能性低血糖症になるのか?

   1、現代型栄養失調

エネルギーだけが過剰で

タンパク、ビタミン、ミネラルが

欠乏している。トランス脂肪酸だらけの

インスタント食品、コンビニが続けば

当然こうなる。

特に、タンパク、ビタミンD、亜鉛、鉄の欠乏が大きく影響する。

 

  2、肝機能低下

糖質過剰で脂肪肝やインスリン抵抗性がおきている。

脂肪肝は、いまやおっさんの病気ではない。

ガリガリにやせた女子やモデルも脂肪肝だったりする。

 

  3、リーキーガット

下剤やインスタント食品を乱用していると

腸内環境は最悪で腸壁に炎症をおこす(リーキーガット)。

慢性炎症を抑えるためのホルモン(コルチゾール)産生で

副腎が疲弊する(副腎疲労)。

コルチゾールは糖新生(血糖値維持)をする役割もあり

つまり副腎疲労になればコルチゾールが枯渇し

低血糖体質になり過食がとまらない悪循環ループ。

 

また、リーキーガットになれば腸がダダ漏れだから

本来吸収しない毒素(重金属やら未消化タンパクなど)

がガンガン進入するので解毒で肝臓がさらに疲弊するし

未消化タンパクによりアレルギー持ちになる。

 

脂肪肝なのに、解毒で忙しい

肝臓は疲弊して働きがわるい。

患者の多くが、寝ても寝ても

疲労感が取れないのはこのせい。

 

これは一般病院では分からないから

問題ないよ?っていわれて心療内科行きになる。

 

 コンビニやファーストフードの便利さの代償は

いつかどこかで払う事になる。

 

 私は、知識がなくて

このようになってしまった人たちが

元気になるための手伝いをしたい。

 

なぜなら、一般病院で異常なしといわれる

辛さを経験したらから。

いやいや、調子悪いのに異常ないわけないから。